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Fコードの簡単な押さえ方とうまく鳴らないときに見直すべき6つのコツ

/ さわの Guitar Lab.代表

これを見ているあなたは今まさにうまく鳴らないFコードに頭を悩ませているところではないでしょうか。

Fはセーハを伴う難しいコードでありながら、非常に多くの曲に使われており、初心者の方が一番苦しむポイントとされています。

今回はそんな強敵、Fコードを攻略すべく奮闘中の皆さんに

  • Fを押さえるときの正しいフォーム
  • セーハのコツ
  • 弾きやすいギターとは

など、見直してほしい6つのポイントをお伝えしたいと思います。

私が過去300名以上の生徒さんをサポートしてきた中で特に効果的だった方法をまとめてありますので、ぜひ練習の参考にしていただけたらと思います。

① ネックは高い位置で構える

ではまず全体のフォームから。構え方にはいくつかポイントがありますが、まずはネックを高い位置で構えることを意識しましょう。

というのも、セーハをするときは下から被せるように手首を出さないと、指が曲がってうまく押さえられません。

ネックが低く手首がきつく曲がった状態

その際、ネックの位置が低いと手首が曲がり、力が入りにくくなったり手を痛めたりする原因となります。

特に座って弾く場合はネックが地面と平行になるため、全体的に構えが低くなりがちです。

そんなときは、足台を使って右足ごとギターを持ち上げてみましょう。手首の角度に余裕ができて押さえやすくなるはずです。

また、クラシックギターのように左足を足台に乗せ、その上にギターを置く構え方もあります。

慣れるまでは弾きにくく感じるかもしれませんが、ネックが斜めになるため立って演奏するときと同じ感覚で構えられるというメリットもあります。

② 正しい指の位置で押さえる

フォームに続き、それぞれの指の形をみていきましょう。まずは手全体を支える親指からです。

(1) 親指の位置

親指の正しい位置はネックの真ん中、中指の下あたり。力は入れず軽く触れる程度に添えておきます。

その時、第一関節を反らせて指の腹で支えるようにします。力んで爪を立てるような形や、左側に倒れてしまっていてはうまくバランスが取れないので気をつけてください。

ネックの上から親指が見えていてはいけない

また、このとき一番やってはいけないのが親指を上から出してネックを握ること。人差し指が曲がり、弦との間に隙間ができてしまいます。

Dm7など1,2弦だけを押さえるような小さいセーハのときにはネックを握ることもありますが、Fは別。しっかり使い分けができるようにしましょう。

(2) 人差し指~小指の位置

次は実際に弦を押さえる人差し指~小指について。こちらには3つのポイントがあります。

まず1つめはフレットのすぐ左側を押さえること。少ない力でも音がビレにくくなります。

そもそもギターは弦をフレットに押さえつけ、長さを変えることでさまざまな音が出せる仕組みになっています。なのでその両者を近づけられるよう、できるだけ近くを狙って押さえるとよいというわけです。

2つ目は指をしっかり立てること。

押さえた指が隣の弦に触れて振動が止めてしまうことが音が出ない主な原因の1つです。それを防ぐためには指の先端で弦を捉えられるよう、しっかり曲げて押さえることが大切です。

まずは脱力をして、ネックと手のひらを近づけるイメージで構えてみてください。

3つめはセーハがどこの弦を押さえているのかを確認すること。実のところ、全てに等しく力を加える必要はありません。

というのも、3,4,5弦は他の指で押さえているので、セーハするのは残った1,2,6弦だけ。1,2弦を押さえる指の付け根と、6弦を押さえる先端にだけ意識的に力をいれるようにすることで無駄なく押さえられます。

③ 人差し指のセーハは最後に押さえる

Fコードを攻略するコツはフォームだけではありません。押さえる順番を考えることも重要です。

よく「Fコードをどうやって押さえますか?」という質問に「まずはセーハをして~」とお答えいただくのですが、これはおすすめできません。

指を置く順番

というのも通常、人差し指が最も器用で、小指側の指ほどコントロールしにくいはずです。そんな中、真っ先にセーハに力をいれるとただでさえ弱い他の指がつられて固まってしまうのです。

ではどうするかというと発想を逆転させ、小指から置いてみましょう。

手を脱力させ、指を柔らかく曲げた状態で1つずつ弦に乗せていきます。小、薬、中、人差し指と順に置き、最後にぐっと力を込めればきちんと指を立てたまま押さえられるでしょう。

また、このときしっかりと小指側に重心を寄せ、指の付け根とネックが近づくように意識するとより指を曲げやすくなります。

④ 細い弦に替える

ここまででフォームや指の形を見直してきました。しかし、それでもだめだという方は楽器や弦に問題がないかチェックしてみましょう。

まず弦ついてですが、各メーカーでさまざまな太さのセットがあるのはご存じでしょうか。

実はパッケージ記載されている「09-42」などという数字は弦の直径を表しています。そして、弦は細いものほどテンション(張力)が弱まり柔らかくなるため、左手が楽になるという傾向があります。

なので、うまく押さえられないうちは細い弦を選ぶようにしましょう。

では実際にどのぐらいの違いがあるのか、Elixirのアコースティック弦・フォスファーブロンズのエキストラライトゲージとミディアムゲージで比較した表を見てみましょう。

エクストラライトゲージ
太さ(inch)テンション(kg)
10.0107.25
20.0148.16
30.02312.24
40.03011.79
50.03910.88
60.0479.07
合計59.42
ミディアムゲージ
太さ(inch)テンション(kg)
10.01312.24
20.01711.79
30.02615.42
40.03515.87
50.04514.96
60.05612.70
合計83.00

※通常テンションはポンド表記ですが、ここではキログラムに変換しています

ご覧のとおり、エキストラライトゲージの合計テンションが59kgであるのに対し、ミディアムゲージは83kg。なんとその差は24kgもあります。

つまり単純計算ですが、押さえるのに1.4倍もの力が必要だということ。当然、太さによって音も変わりますが、そこをこだわるのは音が出るようになってからでよいでしょう。

⑤ 弦高を調整する

ギターの弾きやすさという観点では、弦高やネックの状態も非常に重要です。

(1) 弦高が高くないか

弦高とはフレットから弦までの距離のことで、これが高いほど左手の押さえる力が必要になります。

なお、買ったばかりのギターでは後から調整する前提で少し高めに設定されている場合もあります。まずは1度、1弦側と6弦側の12フレットにそれぞれ定規を当て、距離を測ってみましょう。

適正値は以下のとおりです。

種類1弦の弦高6弦の弦高
クラシック4.0~4.5mm3.5~4.0mm
アコースティック2.0~2.5mm2.2~2.7mm
エレキ1.3~1.8mm1.5~2.0mm
12フレットの位置で計測

これ以上高いときはナットやブリッジを削るなど、調整する必要があります。

(2) ネックが反っていないか

それからネックの状態も確認しておきましょう。12フレットの弦高が適正でもネックの反りが原因で他のポジションが弾きにくくなっている場合があります。

中でも乾燥や弦の張力が原因で起こる順反りは、弦からネックが離れる形で弦高が上がるため、余計に力が必要となってしまいます。

これには普段から弾かない日は弦を緩めておいたり、湿度管理をして対策することが基本となります。

しかし、どんなに気をつけていても防ぎきれず知らぬ間に反ってしまうことも。そんな時はトラスロッドで調整してみましょう。

アコースティックギターのトラスロッド

トラスロッドとはギターのネックに入っている金属製の棒のことで、これを回すことで反りを自分で調整できるようになっています。

楽器にもよりますが、アコースティックギターならサウンドホールの内側、エレキギターならナット付近に穴があるのでそこに六角レンチを当ててみましょう。

そのまま右に回すと順反り、左に回すと逆反りを緩和させることができます。ただし、回しすぎはネックに負担をかけてしまうため、1度に回すのは45度程度に留め、様子を見ながら慎重に行ってください。

(3) リペアショップに調整を依頼する

上述の通り、弦高やネックの調整は自分で行う方法もありますが、取り返しのつかない失敗をしてしまうおそれもあります。大切な楽器はやはり専門のリペアマンにお願いするのが一番安心です。

楽器店などでの料金相場はおおよそ3,000~10,000円ほどで、1,2週間預ける形になるところが多いようです。

ただし、クラシックギターのネック調整は高度な作業になるため、期間や予算がこれ以上かかる場合もあります。まずは見積もりを出してもらうようにしましょう。

保証期間内であれば購入したお店が無償で見てくれる場合もありますのでそちらも確認してみてください。

⑥ どうしても難しい場合は省略形から練習する

フォームの改善や、楽器の調整をしてもFコードが難しいというときは、一旦簡単な省略形で練習し、慣れてきてから本来の形に戻すやり方もあります。

(1) Fコードの省略形

ここではFコードの省略形とはいったいどんな形なのかを見ていきましょう。まず、通常のFを押さえたときの各弦の音を見てみましょう。

ご覧の通りファ・ラ・ドの3音で構成されており、同じ音がいくつか含まれているのがわかるかと思います。これらは削ってしまってもFの響きが崩れることはありません。

では、今回は5弦のドと6弦のファを省いて簡単な形をつくってみましょう。

するとこのようになりました。この方がセーハが小さく、はるかに簡単です。

本来の形がどうしても難しければ、一旦割り切ってこの形で練習してみてください。これで好きな曲をいくつか弾いているうちに、手がギターそのものに慣れて少しずつ動くようになっていくはずです。

ただし、この形で5,6弦を弾いてしまうと余計な音が混ざってしまうので注意しましょう。一見、1弦のファも省けそうですが、ここもストロークした際に開放弦が鳴らないよう押さえておいた方が無難です。

(2) ルートとトップノートだけ鳴らす

どうしても本来の形で練習したいという方はルートとトップノートだけでもきちんと鳴るように意識してみてください。

ルートコード全体の響きを支える最も重要な音で通常低音に使われる。Fの場合6弦の1フレット。
トップノートコード内で一番高い音。しっかり出ると明瞭な響きになる。Fの場合1弦の1フレット。

今回はどちらもセーハで押さえている音ですね。

この2つは非常に大事な音ですので、多少他を犠牲にしてでもなんとか鳴るよう頑張りましょう。それだけで案外Fコードらしい響きに聴こえるはずです。

まとめ:Fコードが弾ければギターは怖くない

Fは数あるコードの中でも1,2を争う難易度であることは間違いありません。しかし言い換えれば、それが押さえられるならば他も弾けるということ。

セーハのコツを掴み、マスターできれば弾ける曲もぐんと増えていきます。ギターがたのしく続けられるよう、ぜひ今回の内容をしっかり見直してみてください。