マンションでも大丈夫?自宅で自由にギターを弾くための騒音対策と最適な練習場所まとめ

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休日に思いっきりギターをかき鳴らす。これほど気持ちのいいことはありません。

しかし、それができる恵まれた環境がある人はごくわずかで、実際は周りを気にして小さな音で練習していたり、そもそも楽器不可の賃貸物件で練習すること自体が難しい人も多いかと思います。

ただ、それをわかっていながらあえて言わせていただくと、やはりギターがうまくなるには環境こそが重要であることは間違いないのです。

遠慮しながらの練習では正しい力の感覚が覚えにくくなりますし、弾きたいときに弾けないことでモチベーションが保てないこともあるでしょう。なので今回は

  • 防音室の必要性と選び方
  • 楽器可物件の探し方
  • ギターの消音グッズ
  • 自宅以外におすすめの練習場所

などについて解説したいと思います。練習場所に困っているあなたが自由にギターを楽しめるようになることを願っております。

目次

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さわの Guitar Lab.のレッスンで正しい練習法やテクニックを学びましょう。ちょっとしたことでも気軽にご相談ください。

ギターの練習に最適な環境とは?

まず、ギターの練習をする上で最も良い環境とは何かというと、

  1. 無料、または格安で
  2. 毎日
  3. 何時でも
  4. 周りを気にすることなく集中して

弾ける場所です。

もちろん全てが叶わなくても、この4つの条件が1つでも多くクリアできる場所を見つけてください。それが、ギターをたのしみながら継続し、上達するためのカギとなります。

そしてそれらを考慮すると、やはり普段過ごす自宅にその環境を作ることが一番でしょう。なので練習環境を整える上で目指していただきたい順番としては

  1. 自宅で自由に弾ける
  2. 自宅では音を抑えて練習しつつ、定期的にスタジオなどを借りる
  3. 練習の度に自宅以外の場所を借りる

となります。

一時的には仕方ない場合もありますが、3の状態はできるだけ避けてください。とにかく継続するのが難しく、モチベーションを保てなくなってしまいます。

それでは、以下これらを達成するためにとれるであろう対策を書いたので実際に見ていきましょう。

自宅で練習する場合にできる騒音対策

まずは自宅で音を出すための対策から。これらを試してうまくいかなければ「③ 自宅以外の練習場所を探す」に進んでください。

部屋の防音工事する

一番確実で安心なのが自宅の1室を部屋ごと防音工事してしまうこと。労力と予算が必要となりますが、1度行ってしまえばその後の音楽生活は一変します。

主な施工内容は

  • 壁に遮音材を入れる
  • 窓を防音サッシにする
  • 室内に吸音パネルを貼る
  • 壁や床の内部に空間を作って音が伝わらないようにする

などで、家の構造体にもよりますが6畳の部屋で100~300万ぐらいが相場のようです。

また業者に依頼する際には、必ず相見積もりを取って「性能保証」の有無を確認してください。これがないと施工後、もし狙った効果が得られなかった場合の追加工事費がかかるなどして予算以上の支出になってしまう可能性があります。

自宅に防音室を設置する

参照:otodasu.jp

部屋に手は加えられないが専用のスペースがほしいと言う方はこちら、設置型の防音室をご検討ください。最近は楽器の練習のみならず、テレワーク用としてかなり需要があるようです。

その際、防音室には性能ごとに遮音等級というものが決まっていますので、自分に必要なものを選びましょう。

ここではギターが実際どのぐらいの音量なのか、他の楽器や生活音とも比較しながら見ていきたいと思います。

音量(dB)楽器の種類生活音
130ドラム落雷
120金管楽器ジェット機のエンジン音
110ピアノ車のクラクション
100バイオリン犬の鳴き声
90アコースティックギターパチンコ屋の店内
80クラシックギターボーリング場の店内
70ウクレレ掃除機の音
60エレキギター(生音)テレビの音
50ささやき声

こちらの表をみるとギターの音量は60~90dBと案外大きいことがわかります。ですが、これを50db以下まで落とせれば周りに迷惑をかけることはほとんどなくなるかと思います。

ただ、そういうと「高性能な防音室が必要なのでは」と思われがちですが、ご安心ください。家自体の壁にも遮音する力はあります。一般的な住宅用サッシの家であれば-25dBぐらいと言われていますので、合算して50dB以下を目指しましょう。

楽器の音量 - 防音室の遮音 - 家の遮音(-25dB前後) = 50dB以下

つまりアコースティックギターであれば-35dBの遮音性能を持つ防音室を選べば良いということですね。

それでは現在人気の防音室を比較してみましょう。

種類遮音等級広さ価格備考参考サイト
OTODASUⅡDr-250.9畳149,700円プラスチック製 / 自分で組み立て / 島村楽器専売OTODASUⅡ
ヤマハ アビテックスAMDB20HDr-352畳1,133,000円組み立て・運送費別途 / エアコン設置可AMDB20H
ヤマハ アビテックスAMDC20HDr-402畳1,562,000円組み立て・運送費別途 / エアコン設置可AMDC20H

OTODASUⅡは2021年に発売された最新の防音室です。

リーズナブルな価格と女性でも1人で組み立てられる手軽さが人気のようですが、隙間から音が漏れるので自分で隙間を塞ぐ、吸音材を貼るなどの対策が必要との声もあります。また、簡易的な作りなのでエアコンがつけられないという問題もあります。

防音室内は音がもれないよう気密性が高くなっているため、夏場はかなり暑くなります。練習に集中できなくては本末転倒なので、小型クーラーの設置などもご検討ください。

楽器可物件を探す

賃貸でお探しの方は楽器演奏が許可されたところを選ぶようにしましょう。

楽器が禁止された物件では「どんなに音が小さくてもダメなものはダメ」というのが基本で、守らないと最悪退去させられてしまうこともあります。

最近では楽器相談可能な物件に特化した不動産サイトもあるのでそちらから探すのがおすすめです。

こちらのカナデルームは全国ですが、関東圏内でお探しであれば

あたりもおすすめです。

なお、物件によって楽器の種類や音出し可能な時間など条件がついている場合もあります。まず1度規約を確認してみてください。

消音グッズを使う

たとえ楽器可物件や一戸建てといえど、同居の家族にもしっかり配慮しなくてはなりません。ここでは今すぐ使える騒音対策グッズをおすすめ度と合わせて見ていきたいと思います。

サイレントギター(おすすめ度:★★★)

最初におすすめしたいのはヤマハのサイレントギター。

ネックと木製のフレームのみという独特なデザインですが、その見た目に反し、弾き心地は通常のギターと遜色ありません。その上、共鳴するボディを持たないことで量を10~20%まで削減できると謳われています。

以下、実際に音量を比較した動画です。

実際に使ったみるとおおよそ半分ぐらいのイメージでしょうか。先程の数字はあくまで理論値であり、弾き方によってはそれなりの音が出てしまうようです。

とはいえ、これだけ抑えられれば騒音対策として十分実用的ですし、

  • アンプに繋げばスタジオやライブでも使える
  • ヘッドホン端子つき
  • チューナーやリバーブなどのエフェクター内蔵
  • 音源を流して一緒に演奏できる
  • フレームを外してコンパクトに収納できる
  • 2.1kgと軽い

などメリットもたくさん。音に困っているようであれば、練習用に1本持っておいて損はないかと思います。

現在SLG200というシリーズが定番となっていますが、それにも3種類のタイプがありますので自分のスタイルに合わせて選びましょう。

型番ネック値段(希望小売価格)
SLG200Sスチール細い / 14Fジョイント80,300円
SLG200Nナイロン細い / 12Fジョイント80,300円
SLG200NWナイロン太い / 12Fジョイント85,800円

吸音材(★★★)

部屋の壁や練習場所を囲ったパーテーションに吸音材を貼るのも非常に効果的です。

吸音材は音を熱エネルギーに変換し、響きすぎないよう和らげてくれるものですが、密度の高い素材は防音効果を併せ持ちます。

参照:防音専門ピアリビング

中でもおすすめなのがロックウールボード。騒音対策や断熱用に使われる建材で、WHOよりナイロンやポリエチレンと同様の安全性が認められています。

通常でも80kg/㎥という高密度を誇りますが、その倍近い150kg/㎥の製品もあるので必要に応じてグレードを選びましょう。

販売元のピアリビングでは自分で簡単に防音壁を作る方法も解説されていますのでご参照ください。

弱音器(★★)

参照:Amazon.co.jp

こちらの弱音器は食品保存用のクリップにスポンジをつけたような製品で、弦を挟むことで振動を抑えます。

弾いたときの余韻がなくなるため、練習が少々味気なく感じてしまうかもしれませんが、手軽に音を小さくできることは確かです。

ちなみに、食器用スポンジを2cmぐらいの太さでカットして、弦の下に挟み込むことでも代用できます。見た目は悪いものの安く、厚みでどのぐらい音を止めるかを調整することも可能です。

サウンドホールカバー(★)

参照:Amazon.co.jp

アコギのサウンドホールにはめるゴム製のカバーです。

マイクを当てたり、アンプに繋いだときの不要なハウリングを防ぐために使われるものですが、蓋をすることで生音の広がりも抑えてくれます。

とはいえ本来の目的にあった使い方ではないので防音としての効果は気休め程度。これ単体では心もとないので他の対策と合わせて活用するようにしましょう。

サイレントピック(★)

参照:Amazon.co.jp

サイレントピックは非常に薄く、これで弾いてもわずかにしか音が出ないように作られています。

騒音対策としては効果的ですが、その柔らさのあまりほどんど弦を撫でているような感覚しかありません。ピッキングニュアンスなどもつけられないのであくまでストローク用と考えて良さそうです。

また、厚めのクリアファイルなどをピック型に切るだけでも同様の使い方が可能です。

ヘッドホンアンプ(エレキギターのみ)

参照:Amazon.co.jp

エレキギターを弾いているが、アンプに繋ぐのはだめという方もいるでしょう。そんなあなたにはシールドジャックに直接挿せる、ヘッドホン専用のアンプがおすすめです。

中でもVOXのアンプラグというシリーズが有名で、歪みの種類で選べたり、アコースティックギターの音に変換するシュミレータがついたものもあります。

生音のみで弾いているとサスティーンが少なく、チョーキングなどハーモニクスなど一部練習が難しいテクニックも出てきます。せっかく練習するならぜひアンプを通した音で行いましょう。

ちなみに、通常のギターアンプをお持ちであれば大半はヘッドホンが挿せるようになっているので別途購入する必要はありません。まずは接続端子をご確認ください。


以上が自宅で使えるギターの騒音対策グッズでした。なお、今回設定したおすすめ度の基準は

  1. 弾き心地を変えることなく使えるか
  2. 音量がどれだけ抑えられるか

という2点を考慮しています。

特に1つ目の弾き心地が重要で、せっかく環境を整えても防音のために演奏の感覚が変わってしまっていては、正しい技術を身につけるのに余計な時間がかかります。ぜひ自分に合う騒音対策を取り入れてみてください。

自宅以外の練習場所を探す

自宅以外でギターの練習ができる場所は以下の5つがあります。普段は家で控えめに練習し、週末だけスタジオを借りるなど併用もご検討ください。

音楽スタジオ(おすすめ度:★★★)

音楽用のスタジオは当然ながら防音設計が万全ですので、思いっきり音を出すことができます。本格的なアンプも揃っているので音作りや実践に向けた練習がやりやすいというメリットもあります。

多くのスタジオで個人練習用のプランがありますのでそちらを利用すると良いでしょう。1時間あたり800~1200円のところが多いようです。

音楽教室(★★★)

音楽教室内に練習スペースがある場合、そちらを利用するのもおすすめです。

デメリットは、

  • 他の生徒さんに練習を聴かれる可能性があること
  • 営業時間にしか借りられないこと

の2つ。逆にそれさえ気にならなければ、備品が借りられたりと便利に利用できるので、教室に入会する大きなメリットの一つといえるでしょう。

当教室も有料ではありますが、レッスンがない時間は防音室を個人練習用にお貸ししております。お近くの方はぜひ気軽にご利用ください。

カラオケ(★★★)

参照:JOY SOUND

最近のカラオケは楽器を練習する人にも利用してもらおうと、専用のプランや機材の導入が進んでいます。中でもJOYSOUNDには「ギタナビ」という、ギターをつなげばカラオケ音源に合わせて練習できる機能がついています。

デメリットとしては、

  • 多少周りの音が聴こえることがある
  • 部屋の照明が暗めで楽譜が見にくい
  • ソファー席はフォームが不安定になりやすい

というあたりが挙げられますが、フリータイムやドリンクバーなど利用してゆっくり過ごすことができますし、練習環境としては悪くないと思います。

椅子や譜面台、ギタースタンドなどの貸し出しを行っている店舗もあるようなので行く前に確認してみてください。

レンタルスペース(★★)

参照:SPACEMARKET

音出し可能なレンタルスペースを借りる方法もあります。

プラットフォームとしてはSPACEMARKETが有名で、エリアや条件から自分に合う空き部屋を探すことができます。ただし、料金や広さは場所によってまちまちなので、家の近くでいいところが見つかればラッキーというぐらいに構えておくのが良いかと思います。

公園や車の中(★)

あまりおすすめできませんが、どうしてもお金がかけられないという方は公園や車の中で練習する方法もあります。

公園で練習する場合、近隣の方の迷惑にならないよう近くに家がない大きなところを探しましょう。管理事務所などで利用規約の確認も必要です。

それから、屋外は砂埃や湿気、日光にさらされるため楽器にとっては非常に過酷な環境です。特に直射日光はギターを変色させたり、塗装を溶かしてしまう場合があるので、必ず日陰を探すこと。そして、屋根の下でも雨が降ったらすぐに練習を中止してギターをケースにしまうことを徹底してください。

また車内ならそれらは大丈夫ですが、単純に狭いので身体を痛めたり、変なフォームが身についてしまう可能性があります。一時しのぎ以外では避けたほうが良いでしょう。

まとめ

ギターを趣味として続けるにはより良い練習環境を探すところから始めましょう。最初は苦労するかもしれませんが、それが今後の上達スピードに大きく影響するはずです。

この記事がたのしい音楽生活を送るための参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

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