普段何気なく使っている譜面台。立てて楽譜を乗せるだけと思うかもしれませんが、毎回使うものだからこそ少しの工夫でより練習に集中できるようになります。
そこで今回は
- 譜面台を使う意味
- 種類や選び方
- おすすめの使い方
などについて書いていきたいと思います。
楽器の練習は些細なきっかけでうまくいくことがたくさんあります。これまで当たり前の存在であった譜面台の使い方を考え直すきっかけになれば幸いです。
譜面台の必要性
楽譜を見るだけであればテーブルや床に置いてもできないことはないのですが、譜面台を使用することで練習の質を上げることができるため必ず用意することをおすすめします。
では具体的にどういったメリットがあるかみていきましょう。
正しいテクニックが身に付きやすくする
より正確な技術を身につけるためには身体の余計な力を抜いて、最小限の指の動きで演奏ができるよう追求していくということが必要になります。
日頃の練習の際に譜面台を使わずにいると、フォームが定まらず、力が抜けにくくなるため上達が遅れてしまう場合があります。
体が疲れにくい
楽譜を床やテーブルに置くと体が猫背になります。すると腰や首に負担がかかり、短い時間でも疲れたり、痛みがでて集中力が続かなくなってしまいます。
どんな楽器でも身体にとって自然な状態を作るということを意識してみてください。
譜面台の種類と選ぶポイント
折り畳み式
おそらく大半の方はこちらを使っているかと思います。軽く持ち運びができるうえ、使わないときは小さく畳んでしまっておくことができます。
選ぶ際はこれまでの経験上
- ねじが壊れにくいもの
- できるだけ高さがあるもの
- ページストッパーがついているもの
を選ぶと便利です。
譜面台自体は大半がアルミ製でさほど耐久性は変わらないと思いますが、高さを調整するねじが閉まらなくなって壊れるパターンがよくあります。回す部分が樹脂製のものは中のネジとの接着がとれて空回りをするようになったり割れることがあるので、ネジ全体が金属でできたものだと安心です。
また購入前に最大の高さもみておきましょう。小さくなるのは便利ですが、背の高い方だと立って使うときに高さが足りなくなってしまう場合があります。ゆとりをもって自分の顔ぐらいの高さまで上がるものだと安心です。
据え置き型
一般的な譜面台です。折り畳みより重く持ち運んだりはできませんが、その分安定感があるためページ数の多い曲集などもしっかり支えてくれます。
- 穴の開いてないもの
- ページストッパーがついているもの
がおすすめです。
譜面を置く部分が完全に平らなものだと書き込みがしやすく便利です。また、ページストッパーがないものは本が閉じてしまうだけでなく、コピー譜などを見る場合手前に滑り落ちてしまうことがあります。
しかしなぜかこの両方を兼ね備えた譜面台はほぼありません。なので解決策として穴あきかつストッパー付きの譜面台にA3サイズの硬質カードケースを敷くのをおすすめします。
譜面を固定するためのクリップもありますが、譜めくりのたびにいちいち付け替えるのが大変なのでおすすめしません。
卓上型
足が短く、テーブル上で使える譜面台です。スペースが限られていてデスク回りで練習をしたい方におすすめです。
- 足に滑り止めがついたもの
- 多少重量のあるもの
- 平らなもの
- ページストッパーがあるもの
このあたりのものを選ぶといいと思います。
時々譜面を乗せる部分に後ろ足だけ生やしたようなものを見かけますが、これは金属の部分が下に直接触れるためテーブルを傷をつけてしまわないよう注意が必要です。また、コンパクトな分重い本などを乗せるとグラグラする場合があるので滑り止めや多少の重みがあるものがいいと思います。
よく考えると卓上型譜面台=ブックスタンドなのでそちらで探すほうが好みのものが見つかる可能性がありますね。
クランプ型
デスクの縁やマイクスタンドなどに取り付けられるタイプ。練習用の譜面台とは別にしても、パソコンで譜面を作ったり、資料を見ながら作業する方には非常に便利なので個人的にイチオシです。
また、角度や距離を自由に動かせるので簡単に見えやすい位置に動かすことができます。
これはとにかくつくりがしっかりしたものを選びましょう。重いものを乗せたとき傾いたり、高さが下がってしまうようなものは使えません。僕はocttoのブックスタンドを使っていますが安定感があり動きもスムーズなのでおすすめです。
譜面台周りで使えるアイテム
小物置き
譜面台の下に取り付けられる小物置きです。
テーブルなどにおいてもいいのですが、チューナーやメトロノームなどよく使うものは手がすぐ届くところに置いてあると便利です。
譜面灯
普段は暗くて楽譜が見えないということはほとんどありませんが、本番のステージでは会場や演出によっては必要になる場合があります。
譜面台の使い方と楽譜の置き方
楽器を構えた時の目線の先に置く
これは僕の経験則ではあるのですが、演奏中むやみに首を動かす人は身体がぶれて正確なフィンガリングが身につきにくくなります。そのため譜面台と左右の手を交互に見るなどして視線があちこちに動き回ることがないよう、普段の練習から譜面台の高さや置く位置も気を付けなければなりません。
例えばギターの場合、演奏中は左手を見ることが多いため、その先に譜面台を置くことで目の焦点さえ変えれば身体をぶらさずとも楽譜を見ることができるようになります。
これだけで指先の動きの精度が上がるので、特に意識せずになんとなく正面に置いて、高さも適当に決めているという方は一度試してみてください。
2ページ以上の楽譜はA3で印刷する
次にコピー譜などを使う際に譜めくりが少なくて済む楽譜の置き方をご紹介します。
- 楽譜をA3サイズで印刷し、ページを重ねて一度山折りにする
- それらを開いて譜面台の右側2/3におく
- 左半分を弾き終え、右側に移ったら楽譜の真ん中をつまんで半分に畳みながら左側に倒す
- 常にA4サイズで3ページ分を見れて譜めくりの頻度が減る
ちょっとしたことなんですがこれで結構楽になると思います。バンドスコアなどは特にページ数が多いのでこちらのやり方をおすすめします。
B4のものなどは拡大コピーをしてから使いましょう。音符も大きくなり見やすくなるだけでなく、規格を統一することでクリアファイルなどできれいに管理することができます。
曲集などの本も必要な曲だけコピーしておく
曲集など本になっているタイプの楽譜も1枚の曲であればA4に、2ページ以上はA3に一旦コピーしてから使うのをおすすめします。
上記のように譜めくりが楽になるだけでなく、書き込みを繰り返すと楽譜が読みにくくなるので元の楽譜をきれいなまま残しておくとあとで確認しやすくなります。
また、本を開いて目次からその1曲を探すのは時間がかかるため、練習中の曲を印刷しておいて一つのファイルなどにまとめておくことで楽譜を探してきて出し入れする手間が省けます。
まとめ
譜面台は使い方こそ難しくありませんが、置き方ひとつで演奏テクニックに影響する大切な部分です。
上記の方法は全て僕が15年以上紙の楽譜と付き合ってきて、実際に楽だなと思ったやり方ですので、ぜひお試しいただき練習のスタイルを見直すきっかけにしていただければと思います。
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