初心者がギター選びで失敗しないために見るべき4つのポイント

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上達のサイクルを作るプロのレッスン

さわの Guitar Lab.のレッスンで正しい練習法やテクニックを学びましょう。ちょっとしたことでも気軽にご相談ください。

クラシックギターの失敗しない選び方

音楽教室としてギターをレッスンさせて頂く中で、最近特に楽器選びの重要性について考えるようになりました。

個々の楽器が持つ音色や弾き心地は演奏者に最も多くの影響を与えます。それでいてそうそう簡単には買い換えられないので、一度ギターを選び間違うと数年先に全く違う技術や感性が身についてしまっているなんてことが起こり得ます。

今回、数多のギターの中から自分にとって最高の一本が見つかるよう選び方のポイントを書いてみました。長くはなりますが、こちらを読んで頂き購入の際に少しでも参考にして頂けたら幸いです。

ギターの音色

ギターの最大の魅力はなんといっても直接指で触れることで生み出される温かい音色です。

これは使われている木材などによりかなり個性があり、自分がどんな音で弾きたいのかイメージにピッタリ合ったギターを見つけないといけません。

ギターのタイプや木材をみながら、音色の違いをしっかり聴き比べられるようにしましょう。

表面板の種類

まずクラシックギターにおいて最も音色に影響を与えると言われているのが表面板の木材です。

弦の振動はまず最初にブリッジから表面板へと伝わり、それがボディの中で増幅されて音として出ます。なので表面板の良し悪しが出てくる音に大きく影響を与えており、音色を比べる際に最も注意して見るべきポイントと言えます。

まずクラシックギターの表面板は大きく分けて2種類ありこれを見極められるようにしましょう。

その2つとは松(スプルース)と杉(セダー)のことです。

世に出回っているクラシックギターの9割以上がこのどちらかの表面板が使われています。それぞれ全くタイプが違うのでまずはここ押さえて置きましょう。それぞれの特徴について書いてみます。

松のギター

松の表面板を使い、ドイツの製作家であるカトリンハウザーが作ったギターです。

ドイツの銘器カトリン・ハウザーの12作目です。筆者所有。

  • 白や黄色っぽいものが多い
  • 木が硬く、透明感のある明るい音色
  • ヌケの良い音で真っ直ぐに遠くまで届くイメージ
  • 音の分離がよいが、最初はしっかり鳴らすのが難しい。弾き込むにつれて音が変化していく

代表的な製作家

ヘルマンハウザー、ホセ・ルイス・ロマニリョス、カズオ・サトー、ポール・フィッシャー、パコ・サンチャゴ・マリン

クリアな音色が特徴の松のギターですが、水分やヤニが比較的多く含まれており、最初はなかなか鳴りにくかったりするかもしれません。

しかし、弾き込んでいくうちに粘りが出てきて音質や音量といった面で本領を発揮してくれると思います。また革製品のように段々と手に馴染み、自分のパートナーとして一緒に成長していく楽しみもあるギターと言えます。

杉のギター

杉の表面板を使い日本の製作家である桜井正毅氏が作ったギターです。

桜井正毅氏の杉のギター。素晴らしい響きがします。

  • 茶色や赤っぽいものが多い
  • 木がやわらかく甘い音色がする
  • よく響き空間を包み込むようなイメージ
  • 最初からしっかり鳴る

代表的な製作家

ホセ・ラミレス、エルナンデス・イ・アグアド、マティアス・ダマン、グレッグ・スモールマン

杉のギターは即戦力です。

早いうちから良く響くのですぐに本格的な演奏を楽しむことができます。また、甘く色気のある音色は弾いていて気持ちがいいので、きっと練習をする気にさせてくれるはずです。

スペインものなど、ギターらしい哀愁の表現をするためには杉のギターを選んで間違いないと思います。

と、大まかなイメージはこんな感じでしょうか。

それぞれに魅力があり、最終的には好みということになってしまうのですが、僕が個人的に初心者の方におすすめするのは松のギターです。

なぜなら音の分離がいいギターというのは自分の耳に届きやすいということであり、自分がどんな音で弾いているのか、どこでミスをしているのかなど理解する手助けをしてくれるからです。

「自分の音ぐらい聴いてるよ!」と思うかもしれませんが、本当に大事なのはどの程度きちんと聴いているのかということなのです。

一生懸命演奏しているうちに自分の音をただ聴き流してしまっている人は非常に多く、僕がレッスンしている時、生徒さんが明らかに音がビレてしまっていたので指摘すると、「あれ?僕今ビレてました?」なんて言われることがしょっちゅうあります。

自分のミスに気づけないようではいつまでたっても改善できず、上達は遅れてしまいます。だからこそ自分の音に丁寧に耳を傾けるというのはプロの演奏家もとても大切にしていることであり、感性が育ちやすい初心者の方にこそ松のギターをおすすめしています。

また表面板には一風変わった構造のものもあります。製作家の方々はより良い楽器を作るべく日夜研究されており、新しい技術が次々に生まれています。

ダブルトップ・ハニカムトップ

ギターをしっかりと鳴らすためにはいかに表面板を振動させるかが重要となります。

それには表面板をなるべく薄く軽くしていく必要があるのですが、それと同時に弦の張力を支えられるだけの耐久性も求められます。その相反する2つの課題を同時に解決するため開発されたのがこのダブルトップ構造です。

これはドイツの製作家マティアス・ダマンとゲルノット・ワグナーによって考案され、航空機などに使われている軽く丈夫なノメックス繊維を蜂の巣状(ハニカム)にし、2枚の板を張り合わせた形となりました。

その結果、耐久性も確保しつつ、軽く良く鳴るギターができるようになりました。現在上記の2名以外にも日本の製作家であり、現在アストリアス社で製造主任を務める辻渡氏がこの製法で精力的にギター製作に取り組んでいます。

側面板と裏板の種類

ギターにとって側面板と裏板はトップに伝わった振動をボディー内で跳ね返し、反響させる重要な役割を持っており、ここも音色に影響を与える重要なポイントです。

様々な木材が使われており、選ぶときにはしっかりチェックするようにしましょう。

インディアンローズウッド

側面板や裏板の材として代表的な木材。

各国のローズウッドが存在しますが、ローズウッドとだけ記載されている楽器は大抵このインディアンローズウッドが使われています。音色としては音域を問わず万能で分離の良いはっきりとした音色が特徴です。

ブラジリアンローズウッド(ハカランダ)

木目の非常に美しい最高級の木材。

1992年からワシントン条約にて輸出入が厳しく規制されてしまい、政府機関への許可申請が必要ため手間も時間もかかる希少価値の高さもあります。芯があり、遠くまでしっかり響く音色が特徴的でほとんど高級ギターにのみだけ使われています。

マダガスカルローズウッド

アフリカ原産のローズウッドでこちらもハカランダに似た明るい音色の高級材です。

茶色味がやや強く、ローズウッドの名前が冠する中では最も硬く重い品種であると言われています。

メイプル

メイプル材の表面の写真です

非常に硬い材で音もはっきりとしたクリアな音がでます。

分離が良いので耳のトレーニングなどにも最適ですが、楽器をしっかりと鳴らすのが難しい一面もあります

木目のタイプによりバーズアイメープルやフレイムメイプル、キルテッドメイプルなどと呼ばれ、見た目でも楽しめる美しい木材です。

その他

ホンジュラスローズウッド・桐・ココボロ・ハワイアンコア・チューリップウッドなど様々な木材を使用したものがあります。

音量についての考え方

ここまでで「鳴る」とか「響く」ことが重要だと言うことを書いてきましたが、音量が出る楽器を選ぶことの大切さをしっかり考えてもらいたいと思います。

個人的にはギター選びでは良い音のギターより、豊かな音量が出せるギターを選ぶことの方が重要だと考えているぐらいです。

クラシックギターの一番の魅力はなんと言ってもその温かく美しい音色ですが、これは右手のタッチや爪の磨き方、弦の種類、左手のビブラートなど様々な方法でより深く追求していくことができます。

それに対し、音量はある程度個々の楽器の限界値があるため、どんなに力いっぱい弾いても一定以上鳴らすことはできません。なので元々そのギターがどのぐらいの音量まで出せるのかはよく見極めなければいけません。

まず力強く楽器を鳴らせること。

そして無音の状態からその最大音量まで自在にコントロールできること。この2つの技術が表現に幅を与えます。なので音量の幅=表現の幅といってしまってもよいかもしれません。そしてその音量は技術以上に楽器のポテンシャルによる部分が大きいのです。

またよく鳴るギターは上達も早めてくれます。大きな音が出るというのは言い換えると少ない力で音が出せるということです。楽器の演奏技術において脱力することは最も重要な課題の一つであり、力まずに音量が出せると悪い癖がつきにくくなります。

以上のことからやはり楽器自体がしっかり響くものを選ぶ必要があります。

まずはそれぞれの開放弦を力強く弾き、音量と余韻の長さを丁寧に聞いてみてください。ボディ全体がしっかり振動し、身体にじーんと伝わってくるものはいいギターの可能性が高いと思います。

松のギターは弾きこむにつれて音量が増していくものなので、新品の状態で判断は難しいところですが、そこが一緒に成長した先の楽しみでもあります。大切に弾いてあげれば楽器もきっと応えてくれると思います。

弾きやすさ

音色の次に重要なのは弾きやすさです。どんなにいい音のギターでも弾きにくいギターではうまく演奏できないばかりか上達が遅れる原因となってしまいます。初心者の方も自分ではわからないからといって諦めず以下のポイントだけでも押さえ、注意して選ぶようにしましょう。

弦長・ボディサイズ

まず自分の体にピッタリあったサイズのギターを選ぶ必要があります。

ギターの基本的な弦長(ナットからブリッジまでの長さ)は650mmとなっていますがこれは欧米の体の大きな方々に合わせて設計されており、小柄な日本人が弾くには少々大変です。

最近では640mmや630mmの弦長のギターも多く、好みのサイズを選べるようになりました。

ギターのサイズを比較した写真です。

右が僕のハウザー、左は生徒さん所有、茶位幸信先生作の50万円のギターです。

左のギターはボディも小ぶりで女性やお子様でも楽に構えられます。厚みも薄くなっており、全体的に軽いので持ち運びにも楽ですね。

ギターの側面板の厚みを比較した写真です

ボディが小さいからといっても音はかなり力強く通常サイズと変わらぬ演奏ができます。

このように最近では無理に650mmを使うのではなく、自分にあうサイズの楽器を選び、リラックスして構えることの方が重要視されているようです。

弦長が短くなるとフレットの幅も狭くなるので体の大きさだけではなく手が小さい方にもおすすめです。

弦高

次に重要なのは弦高です。弦高とはギターのネックを横から見たときに弦からフレットまでの距離のことを指します。

弦高が低ければ低いほど左手で押さえるときに力が要らないということになります。しかし、やたらと低くするだけだと弾いたときに弦が激しく振動するため、隣のフレットにぶつかって音がビレてしまうことがあります。

そのため弦に対しネックに僅かな角度をつけています。

ギターのネックを横から撮影した写真です。

ここで角度をつけすぎてしまうとハイポジションの弦高が高くなってしまい弾きづらくなってしまいます。

ここが製作家の腕の見せどころであり、いかに弦高を低くしつつ、ビレが出ないギリギリの角度をつけるかという調整をしているわけです。

このため工場で大量生産されているギターでは細かい調整が効かず、弦高が高く弾きにくいかビレやすいかのどちらかの場合が多いです。

そのため少々値が張っても、手工製のギターの方が安心ということになります。

目安としては1弦12フレット上で3㎜、6弦12フレット上は4㎜~4.3㎜位と言われています。楽器屋さんに行くときは定規を一つ持っていくと良いかもしれません。

指板の素材

弦高はネックの形によっても影響を受けることがあります。

ネックには弦の張力が常にかかっており、その負荷は平均40kg前後にもなると言われています。それに加え、製作時からの湿度の変化も加わり、日が経つにつれて反りが出てきてしまうことがあります。

多いのは順反りといってネックが弓のように真ん中が膨らんでしまう症状です。これが起こると弦高が高くなり、左手が押さえにくくなってしまいます。

その他逆反りや波打ちなどもあり、必ずしも均一に曲がるわけではないのでそれぞれの症状にあった対処が必要となります。

そしてクラシックギターはアコースティックギターやエレキギターと違ってトラスロッドというネック調整のための金属が入っていないので、個人でメンテナンスすることは非常に難しく、一度曲がってしまうと修理に長い期間がかかる場合もあります。

では買うときには何に気をつけたら良いのか。それはできる限り湿気に強く、張力に耐えうる丈夫なネック材や指板の楽器を選ぶことです。

一番オススメは黒檀の指板です。

黒檀製の指板の写真です

黒檀(エボニー)は直径が18cmに成長するまでに200年かかると言われる希少な樹木であり、高価な木材です。

水に沈むほど重いこの木は非常に硬く湿気にも強いため、息を使う木管楽器など使われています。

そんな黒檀を指板に使用しているギターは丈夫で長く使えるといえます。ただ気をつけないといけないのはエボナイズといって他の木を塗料で黒く塗り、黒檀のような見せかけをしているものもあるということです。

見た目だけで判断せずしっかりスペック表を確認するようにしましょう。安価なギターを使っているうちにネックの黒い塗料が落ち、茶色い木目が見えてくるなんてこともありました。

最近では日本の製作家、桜井正毅先生は贅沢にも指板だけでなくネックにも2本の黒檀を埋め込み、更に長く使えるような工夫をされていたりもします。

桜井正毅先生作のギター。黒檀をネックに使い、耐久性が向上しています。

弦の種類

ここではあくまでギター選びの話ということですのであまり詳しくは書きませんが弦の種類もさまざまで弾き心地に大きく影響する部分です。

ギターを選ぶ際には、すでに弦は張られているはずなのでなかなか選べませんが、ギターを手に入れたらそのギターに合う弦を探すのはとても大切です。

弦は素材や太さなどによっていろいろと種類がありますが、まずは好みの張りの強さを見つけることから始めるといいと思います。

各種メーカーで呼び方は様々ですが、張りの強い方からハイテンション、ミディアム、ローテンションなど同じ弦でも張力ごとにセット販売されています。

ギター自体でも張りの強さは変わってくるので、数値だけ見るのではなく実際にそのギターに張って、自分の手の感覚を頼りに探してみてください。

ポイントとして低音はあまり柔らかすぎると反応が悪く締まりのない音になってしまうし、高音が硬いとしっかり鳴らしにくかったり、押さえる左手が少々辛くなります。

そのため最近では低音のみハード、高音がノーマルという組み合わせのセットがあり、僕が今張っているフランスの弦メーカー、サバレス社のカンティーガ510ARJというものもそのタイプのセットとなっています。

フランスのギター弦、サバレスカンティーガの写真です

こちらの弦は少し細めでヌケが良く、キレのある低音とクリアな高音の両方を実現した素晴らしい弦です。チューニングの狂いもほとんど出ないので安心して使えておすすめです。

買ったばかりのギターは弦が張りっぱなしで古くなっていることがありますが、それではギターの本当の実力がわかりません。

可能であれば新しい弦のもので音色や弾き心地の判断をするようにしましょう。

デザイン・各種パーツ

糸巻き

チューニングの精度を決めるとても大切なパーツです。プレート部分には彫刻が施されていたりと楽器の装飾1つでもあります。

どんなに素晴らしい演奏でも音がずれてしまっていては台無しになってしまうので、糸巻きの質には十分こだわるべきといえます。

大切なのは合わせやすさよりも合わせたチューニングがいかに狂わないかということです。

ギターのチューニングは時間経過だけでなく振動や気温、湿度などでも変わってしまうので曲を弾いている途中でずれないようなものがベストです。

製作家が自ら作った楽器に合う糸巻きを選んでいるので基本的には最初のままでいいと思いますが、選ぶ時に意識して見ておくのは大切だと思います。

糸巻きの代表的なメーカー

ロジャース(カナダ)・シェラー(ドイツ)・アレッシー(イタリア)・ゴトー(日本)・ギルバート(アメリカ)

もし、どうしても気に入らなければ糸巻きは付け替えることもできます。

ナット

ナットのアップ写真です

ヘッド側で弦を支えるパーツです。直接弦に触れているのでここの材質により音の余韻や響きに違いが出ます。ここを削って弦高を調整することもあります。

プラスチック

一番手頃で楽器屋さんなどでも数100円程度で販売していたりします。軽く、音も明るくなりやすいので敢えてそれを狙ってこれを使っている人もいるようです。

牛骨

ギターのナット材として最もオーソドックスなのがこちら。ナチュラルな音色。

象牙

貴重な素材のため高価ではありますが、硬さの中に柔軟さもあり音色がはっきりしつつも、倍音がしっかり残り良く響きます。

独特な網目模様が出ているものはギターのナット剤としてはグレードが低く、目の細かく詰まったものの方がハイグレードであるといえます。

TUSQ(タスク、人工象牙)

貴重な天然象牙の代用品として作られた合成素材です。天然のものと比べて硬めでよりはっきりした音が出やすいようです。

ブリッジ

シングルホール

定番のタイプのブリッジ。通した弦に2,3周巻き付けて張ります。弦の詳しい替え方はこちらの記事にも書いています。

ダブルホール

ブリッジに対し鋭角に弦が乗るため振動が伝わりやすく、音色がはっきりしたり余韻が長くなる効果があると言われています。

クリアトーン

クリアトーンを使ったギターのブリッジの写真です。

これはブリッジそのものではなく、弦を巻き付けシングルタイプでもダブルホールと同じくクリアなサウンドを得られるように開発されたアルミ製のパイプです。

ブリッジそのものも傷つけずに済むので楽器をきれいに保つことができます。

ギターの値段と質の関係など

ギターは1万円台で買えるものから何百万円という高価なものまで幅広い種類があります。

なぜそこまで金額に違いが出るのかというと、やはり最も違うのは木材でしょう。ギターの形にしてから水分が飛ぶと狂いが出てしまうので長い時間をかけて乾燥させてから使います。

製作家の工房ではおじいさんが入手した木材をずーっと乾燥室に入れておいてお孫さんの代で使うなんてこともよくあるぐらいです。それだけ大切に手間をかけた木材を使うからこそ値段が高くなるわけです。

そして初心者の方でうまくなったら良いギターを買おうという方がいらっしゃいます。もちろんギターを1本も持ってないときは練習をするためにとりあえずマイギターをいち早く手に入れることが重要です。

でもだからといって今の経済状況だけで手頃なギターを慌てて買ってしまうのもおすすめできません。ここまで書いてきたようにいいギターで練習すると上達が早いということも頭の片隅に留めておいて頂きたいです。

僕自身の話をさせていただくと、小中学生のときは通販で買った安物のギター、高校生の時にオムテチャンの20万のギター、専門学校に入る少し前にフランスのラフォートという製作家の120万のギターを購入し、今は数年前に入手したカトリンハウザーに辿り着きました。

ハウザーは世界三大銘器と呼ばれるほど素晴らしい楽器なので今後買い換えることはほぼないと思うのですが、これまで通算4本のギターを購入していることになります。

その時々の場面で考えると仕方のないことだと自分を納得させていますが、今でも最初からハウザーと出会っていたらもっと上手くなれていただろうし、それまでの150万近くを他のことに使えていたというのも事実です。

そして良いギターは丈夫で長く使えるだけでなく、弾けば弾くほど音色に深みが増し楽器としての価値がむしろ高まっていくものです。

なので理想は最初から最高の1本を見つけて一生使うということになると思います。続けられるかもわからないのに高いギターは買えないという方は手頃なギターを最初に一本買って、楽しさが見えてきたら一生モノを買う、せめて2本で留められたらいいのではないかと思います。

音楽を総合的に学ぼうとすると、レッスンを受けたり、トッププレイヤーのマスタークラスに参加したり、コンサートを聴きに行ったり、弾きたい曲の楽譜を買ったり、機材を買ったりとなにかとお金がかかります。

本人が地道な練習を続けることが前提ですが、経済的にも上手く計画を立て、より質の高い音楽にたくさん触れることが上達を早めることに繋がります。

経済的な部分は人により価値観が違うので最終的には自身の判断となりますが、ぜひ僕の失敗した経験は参考にしてもらうといいかもしれません。

ここまで個人的な考え方も含め、ギターを選ぶ際のポイントを書いてみました。結局のところこれだけのことを初心者の方が判断するのは難しいと思うので、先生や詳しい方に一緒に選んでもらうのが一番いいと思います。

というより、先生だったら生徒さんが持つ楽器に責任を持つのは当然だと思っています。上達に関わりますから。

でも何も知らずに人任せにするのもだめです。自分がこれからどう音楽を楽しんでいきたいのか考え、同じ金額の中で音色は妥協しても左手の押さえやすさは譲れないとか優先順位ぐらいはつけて相談しないと、協力する側も困ってしまいます。

楽器選びは音楽を始める方にとって最初におこる最大のイベントです。ぜひ、人生のパートナーとして一生付き合える最高の1本見つけてください。

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この記事を書いた人

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