音感も鍛えられるギターのチューニング方法とその3つの手順

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上達のサイクルを作るプロのレッスン

さわの Guitar Lab.のレッスンで正しい練習法やテクニックを学びましょう。ちょっとしたことでも気軽にご相談ください。

ギターのチューニングで音感を鍛えよう

プロのギタリストがチューナーも使わずに演奏途中でさっとペグを回す姿に憧れた方は多いと思います。

なぜそんな芸当ができるかというと音を聴きとる力、すなわち音感が優れているからに他ならないのですが、真似したところでそう簡単にはできません。だからといってそのための聴音のレッスンを受けたりするのはなかなかハードルが高いと思います。

今回は日頃行うチューニングで耳も鍛えられてしまう、そんな一石二鳥の方法をご紹介したいと思います。

チューナーを使わない

ギターはフレットがあるため演奏が効率化され、独自の奏法もたくさん生まれました。

しかしその分、音程に対する意識の甘さがギタリストの最大の弱点でもあります。チューニングの精度も実力のうちですから、いつでも直せるように自らの耳を鍛えていく必要があります。

そのためには普段からできる限りチューナーを使わないことが一番です。確かにチューナーは便利ですが、これに慣れるばかりに音を聴かず、目で合わせていては一向に音感は育ちません。

ではどうしたらチューナーを使わず音を合わせられるのか。具体的にみていきましょう。

5弦をA音(ラ)に合わせる

まず全体の流れとして最初に5弦のA音を合わせ、それを基準に他を合わせていくという方法をとります。

音叉を使う

5弦を合わせるにはチューナーではなく音叉を使いましょう。

音叉は現在ではあまり見かけなくなりましたが、以前はこれでチューニングをするのが当たり前でした。

その使い方はとてもシンプルで、二股の部分を膝などで叩いてから反対側を楽器にそっとあてます。すると細かい振動がボディ伝わり、A音が共鳴するのでそれに5弦の開放弦を合わせていくことができます。

ちなみに音叉には440Hzや441Hzなど周波数ごとでいくつかの種類があります。特にこだわらなければ最初は440Hzのものでいいと思います。

周波数(Hz)

音とは簡単にいうと空気の振動のことであり、周波数とはその振動が1秒間に何回起こるかを表したものです。振動が細ければ細かいほど音は高くなります。1939年ロンドンで行われた国際会議により国際基準ピッチとしてA音(ラ)が440Hzに定まりました。

最近では音に張りや明るさを出すため、441Hzや442Hzなど少し高めに設定することも増えてきています。

また音叉がなければ電子ピアノなどの音程の安定した鍵盤楽器でも代用可能です。

音の合わせ方

合わせ方にもポイントがあります。

一旦弦を緩め、低いところから少しずつ音を上げていきましょう。その時2つの音がだんだん近づいてくると、音のうねりが聴こえてくると思います。ずれているときは早く、近づいてくるとだんだんゆっくりになり、最終的にはなくなります。

このように2つの音が一致するとうねりがなくなりますので、それを目安によく聴きながら上げていきましょう。

もし、途中でわからなくなってしまったらもう一度弦を緩め、下から合わせなおします。

5弦に他の弦を合わせる

基準となる5弦が合わせられたら今度はそれに他の弦を合わせていきます。

ハーモニクスで合わせる

音程を聴きとりやすくするためハーモニクスを使います。

ハーモニクス奏法

ギターの倍音のみを取り出す奏法。

通常、音というのはそれのみではなく倍音と呼ばれるその整数倍の振動が同時に起きており、それらがまとまって一つの音として認識されています。

そしてギターでは2倍音にあたる12F、3倍音にあたる7F、4倍音の5Fの上あたりを軽く触れたまま弾くことで、基本振動のみ消して倍音だけ残すという弾き方ができます。それをハーモニクス奏法と呼びます。

倍音のみを使うことで音がスッキリし、合わせやすくなるのがこのハーモニクスですが、使える音が限られるためどことどこを合わせるのか考えなくてはいけません。

よく紹介されているのが、こんな組み合わせです。

ハーモニクスでチューニングするときの良くない合わせ方です。

悪い例

一見問題なく、実際もこのように合わせている方は多いのですが、実はあまりおすすめできません。

なぜなら、5弦に4弦を合わせ、更にそれに3弦を合わせる…というようにすると僅かなズレが弦ごとで大きくなり、全体で見た時に合わなくなってしまうからです。

この伝言ゲームのような状態にしないためには少し工夫が必要です。おすすめは組み合わせはこちら。

ハーモニクスを使った正しいチューニングの方法です

良い例

5弦2フレットのB音や3弦2フレットのA音は実音を使っています。

その分少し難易度は上がりますが、必ず5弦と4弦、5弦と3弦…と基準にした5弦の音を元に他を合わせていくことができます。すると全体の響きとして狂いが少なく、実用的なチューニングと言えるでしょう。

先程5弦を合わせたときのように音のうねりに注意しながら合わせてください。

チューナーは答え合わせに使う

ここまでできたらどのぐらい正しく音を合わせられたのか確認しましょう。その答え合わせにこそチューナーを使います。人間の感覚はけっこう不正確なので、自分ではしっかり合わせたつもりでも案外ずれていたりしてがっかりしてしまうかもしれません。

しかし、そういった感覚はトレーニング次第で鍛えられるものです。練習のつもりで毎回このチューニング方法を徹底してみてください。僕も一日3セット、ギターを弾く前にこの方法でチューニングの練習をしています。

続けていくうちにチューニングの精度が上がるだけでなく、より音を聴こうという意識も高まってくるはずです。音楽はやはり人それぞれの感性を楽しむ文化ですから、機械に頼るだけでなく自分の感覚をしっかり伸ばしていきましょう。

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