「日本語ラップとかよく聴いてます」っていうと大抵「え、意外」って言われます。
それは僕の見た目からくるのか、クラシックギターを弾いているからなのかはわからないけど、とにかく人から見たら意外なんだそうです。
しかし他人からどう見えようと僕自身はラップが好きだし、中でもポエトリーリーディングといわれるものは音楽を生業としてしまった僕をただの音楽好きなアラサー男に引き戻してくれる。ある種、気つけ薬のような役目を果たしてくれています。
今日はそんな人間臭い音楽が好きなんだという話をしてみようかなと。ちょうど肌寒くなってきたし、たまにはこういうのもいいですよね。
ポエトリーリーディングとは
まずはポエトリーリーディングの概要から。
ポエトリーリーディング (英語: poetry reading) は、主に詩人が自作の詩を読み上げることを指すが、広義には詩を朗読するアート形態そのものをさす。ラップミュージックにのせて詩を読んだり、ビートボックスとコラボレーションして詩を読んだりという形態もある。
朗読なのかラップなのかその境界線は曖昧だけど、つまりは詩を音楽に乗せて伝えるやつがポエトリーリーディング。
僕はこれを音楽として楽しんでいるわけだけど、詩の新しい読み上げ方として捉えている人もいるかもしれません。
まずは一旦聴いてみてくれ
まずはあれこれ語る前に1曲でも聴いてみてほしい。日本を代表するポエトリーラッパー、不可思議/wonderboyという方の代表曲と呼べるナンバーがこちらです。
これ聴くと切ないような勇気をもらうようなそんな気持ちになりませんか。
この方事故により24歳という若さで亡くなってしまってるんですが、亡くなった後に評価され映画にもなったりしています。
昔の路上ライブのMCで「6人のお客さんでも10回やれば60人に届く。それを繰り返せば100人にも200人にも届くから、いつか俺が売れたときに今日たった6人で聴いたことを自慢してください。」っていってました。
超かっけえ。
ポエトリーリーディングの魅力
聴いてくれた方はもうわかってくれたかもしれないけど、僕が思うポエトリーリーディングのいいところ。
シンプルで自由なスタイル
不可思議/wonderboyのように打ち込みのトラックにたった一人でラップを乗せるのが基本的なスタイル。バンドもいない中、マイク一本で自由にリリックを刻みます。
等身大のリリック
リリックというのは平たくいえば歌詞のこと。ただし、本来は「抒情詩」のという意味をもつため生身の感情がなければそうとは呼べません。
誰かへのリスペクトとか、悔しさとか、人間誰もがもつような当たり前の感情だからこそみんなの心を揺さぶるんだと思います。
アートの本質に一番近い音楽かもしれない
芸術の本質はコミュニケーション。そもそもが人の抽象的な想いを形にするツールとして発達してきた文化です。
アカデミックで高尚な音楽もいいけど、最後はシンプルに言葉と音楽で感情を伝えるのが最強だなって思います。
僕のイチオシは「狐火」さん
現在活躍するポエトリーラッパーで僕が大好きなのが狐火という方。
2012年に1000組ものバンドがひしめくサマーソニックのオーディションに参加。マイク一本で会場を黙らせ、遂には出場を果たす。翌年2013年には日本一のHIPHOPフェス『B-BOY PARK』にも出場したが、この2つに出演したラッパーはKREVAと狐火だけ。
この人はやばい。とりあえず見ればわかると思う。
ブログで雑な言葉はふさわしくないと思うんだけど、そうとしかいえないので仕方がない。狐火はやばい。
僕が好きなのはこの「両目のダルマ」という曲。
それから続いて「27歳のリアル」。
毎年「◯◯才のリアル」という曲を書いていて、今月11/20には18枚目のニューアルバム「36才のリアル」が発売されるそう。
それからアルツハイマーを患うおばあちゃんに宛てた「マイハツルア」と「続マイハツルア」も。アルツハイマーを逆から読むことで記憶が戻ってくれたらいいのにという願いが込められた2曲。
狐火さんは絶対いい人だと思う。自分の周りの人を本当に大切にしているのがわかる。
そして最後に亡くなった不可思議/wonderboyへのアンサーソング。
あつい。あつすぎる。狐火さんの音楽には何回泣かされたことかわからないほどぐさぐさきます。
ということで今年の年末にライブ行ってきます。
まとめ
いかがでしょうか。ポエトリーリーディングと狐火というラッパーの紹介でした。
音楽は技術や理屈じゃないということを教えてくれるのがこの世界。ジャンル問わずこういう演奏できる人は本当にかっこいいなと思います。
本当は音楽講師がこんなこと言ってたら怒られそうだけど、結局は僕もただの音楽好きの一人でしかないってことなんですよね。彼を見習って魂込めて音楽と向き合っていきたいと思います。
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