レッスンしていて感じたこと
レッスンしているといろんなことに気づかされます。最近感じたことについて書きました。
教える側のジレンマ
良いレッスンってなにか常に考えるんですよね。他の先生と話しても「テーマを絞って多くを伝えすぎないようにすること。」とか、「たのしいと実感させること。」とか、「先生がかっこよく演奏して憧れをもってもらうこと。」とか人によって重視しているポイントは違うようです。
どれも大切なのはわかるけど、最近僕の中では教えすぎないように気をつけることがいちばん重要な気がしています。
冷たく聞こえるかもしれませんが、生徒さんが自分でできることをあえて手伝わないようにするということです。
たとえば先日エレキ科の生徒さんがいつも通りレッスンに来てくれたのですが、予定まで少し時間があったので準備して待っててくださいねと伝えるとその方はレッスン室に入っていきました。
雑務と準備を終え、レッスン室へ向かうとその方はギターをケースから出しスタンドに立てるところまで済ませスマホをいじっていました。セッティングのやりかたは一通り教えてあったのですが、見たところチューニングもアンプの設定もしていなかったので「やり方覚えてます?」ってと聞くと「なんとなく。」と答えゆっくりと準備を始めました。
この方は僕が手伝ってくれると思って待っていたようです。
慣れるまで精度に自信がもてないのもわかりますが、こっちができることまで手を出してしまったら経験を積む邪魔をしてしまうことになります。
講師としていろいろやってあげたい気持ちもありますが、そこをぐっと抑え生徒さんが自分でやりきってから答え合わせとアドバイスをするようにしています。
教えても教えすぎない。
このバランスの見極めがこの仕事でいちばん難しいところです。本当の意味で生徒さんファーストを実現するためにその観察眼を養うことが講師としてのこれからの課題だと思っています。
自分もそう教わっていた
今になってよく考えたら僕の師匠はこれの究極系みたいな人でした。
レッスン受けに行ったら「こことここがだめだね~。練習しといて。」と5分で終わり。演奏会に向けていい曲ないですか?って聞いても「そんなん自分で探せばいいじゃん。」と一蹴されました。
そのときは先生は教えるのが仕事ちゃうんかーいとか思ってましたが、相手にしてくれない分自分でやらなきゃと練習したり勉強する中で音楽への興味も増していったんですよね。
これ今思えば完全にあの人の思惑通りだったってことですね。策士かよ。
もちろん時間を決めて月謝を頂いてるうちでは起こり得ないことですが、この経験は自分のレッスンに対する考え方にたくさんの影響を与えています。
技術を教えるだけが講師の仕事ではないってことですね。レッスンは難しいからこそ楽しい。これからも研究あるのみですね。