現役音楽講師のお2人と対談した

ギターのレッスンをするようになって8年、自分で教室を開いてようやく1年が経ちました。

こんな若造でも普段教室にいると先生なんて呼ばれてしまい、先輩方にも「気をつけてないとどんどんマンネリ化するぞ」と言われていたので常に頭の中をアップデートし続けるように心がけています。

そんな中ふとしたきっかけで連絡頂き、音楽教室の偉大な先輩お二人がうちに来てくれることになりました。来てくれたのはこのお二人。

小野雄飛先生

小野先生の紹介写真

小野 雄飛(おの ゆうひ)

ギタリストであり作曲家。新堀ギター音楽院で各地の教室主任を担当した後独立。現在、神奈川県相模原市のギター教室you&meの代表として教室運営やレッスンを行う。

明るく元気で、全てに全力投球の熱い先生。周りをどんどん巻き込んで楽しい空間を作れるすごく先生らしい人です。いつもたくさんの生徒さんに囲まれながら、力強く引っ張っていく姿にこっそり憧れてました。僕にとっては前職の、そして音楽教室を独立開業した先輩でもあるので、ずっとお話したかった一人。

村松道尚先生

なおさんの紹介写真

村松 道尚(むらまつ みちなお)

新堀ギター音楽院ドラム講師。ポストロックバンドTHE JADEのドラマー。山嵐・韻シスト・SiM・ジンなどメジャーなアーティストとも対バンをするなど精力的に演奏活動を行う他、アーティストの演奏サポート、レッスンも行う。

なおさんはパンチの効いた見た目ですが、美しいものが好きで音楽に限らずアート全般に対する感性がすごい強い人。ライブではその雰囲気と音圧にただただ圧倒されます。とにかくTHE JADEがめちゃくちゃかっこいいんで聴いてみてください。

ということで、今回はこんな大活躍中のお二人と対談という貴重な機会を頂き、めちゃくちゃテンションが上がっています。元々はただ飲もうぜって話だったんですが、せっかくなのでお互いに聞きたいことをトークテーマにして、それに沿って話した内容を記事にしたいですって提案したらノリよくOKしてくれました。

楽しすぎたのでかなり長い時間話し込んでしまったんですが、その一部をお届けします。

レッスンをする上で一番大切にしていること

さわのが持ってきた最初のトークテーマの写真

レッスンの中で意識しているポイント

澤野
まず、普段レッスンでどんなことに気をつけているのかを話したくて。例えば「とにかく先生がお手本でかっこいい演奏をすること」とか、もっとシステマチックに「家でできる練習法をきちんと提案する」とか。というのも、これを聞くとみんな違う意見が返ってきて面白いからお二人にも聞いてみたかったんですよね。
小野
あー。確かにそれみんなそれぞれで違うよね。
村松
んー、そうだな。その人が教室に来るというのはやっぱり何かを求めているからってことだからそれに応えられるかどうかは重要かなあ。
澤野
あ、俺ついこの前年配の生徒さんに「今日はギターいいから一緒にお茶のもう」とかって言われて。結局その日はお話だけになったんですが満足そう帰られたんでそれ見て同じこと感じました笑
村松
うん、年齢層とかでも求めてるものは違うからね。それにあとはレッスン中に笑顔が見られるかどうかは意識してるかな。
澤野
わ、これ真面目に話すの気恥ずかしいっすね。小野先生は?
小野
そうねー。俺も同じこと言おうとしたけど、せっかくだから教室を経営してる立場で考えようかな。
澤野
ぜひ!
小野
 そうするとやっぱりお金をもらってレッスンするというのは教育であるけど、サービス業としての面が強いのかなって思う。
澤野
なるほど。
小野
だからさっきの求めてるものにどこまで応えられるかがポイントっていうのは同感。でも、その求めているものの180°真逆のカウンターパンチを与えるのも必要かなと思う。
村松
ですよね。そうゆう刺激はまじで大事っす。
小野
だよね。これ確かジョブスが言ってたんだと思うけど、顧客は自分の真に欲しいものは自分でわかっていないから考えもしなかったような製品をこれがあなたが欲しかったものですって提供するのがビジネスのやり方だって言ってて。
澤野
おおお。
小野
で、それを音楽やレッスンに置き換えて考えると生徒さんが全く知らなかったジャンルや奏法を教えて世界を広げてあげることなのかなって思った。もちろんそればっかになってもいけないけど。
村松
うんうん、そこはバランスですね。
澤野
わー、それめっちゃわかります。アーティストとかで自分はこれが好きって言っててもいろんなものを見た上でやっぱりこれが好きっていうのと、それしか知らなくて言うのじゃ全然別物なのかなーっとかって思います。
村松
そう、それは絶対別物だね。知らないものを少しずつ与えてその人の可能性や世界を広げてあげるのは大事よね。
澤野
そうですね、やっぱりそういうのを通じて自発的に音楽を楽しめるように引っ張ってあげたいですね。

個性を大事にしたいよねって話

個性を大事にするにはどうしたらいいか考えてるときの写真

小野
俺からひとついい?レッスンしててその人のフォームが独特だったりするときに、それを直してしまっていいのかすごい悩むんだけど2人どうしてる?
村松
すげーわかる。
小野
それこそ野茂英雄の投球フォームがそうだったみたいにオリジナリティーとしてそれを伸ばしてあげることで花開くこともある思うけど。でもある程度正しいとされる形に直してしまう方が良いときもあるよね。
村松
あー。でも俺世界中のドラマーのプレイを見ましたけど、一流のプレイヤーでも独特な人多いですよ。
澤野
そうですよね。ギターの世界もそう。
村松
まぁといってもその人達も伝統的なトレーニングはしているわけですけどね。さっきの話じゃないけどやるべきことをやった上で自分のスタイルを作るならいいと思う。
澤野
そう考えると、大きな音楽教室になるとこれの次はこれみたいなカリキュラムがあったりしてそれはそれで安心なんですが、僕や小野先生みたいな教室になるとその人に合わせて柔軟に進められるのが強みかもしれませんね。
小野
そうねー。良くも悪くもなんだろうけど。
村松
その人独自の奏法が未来のスタンダードになってたりするからわからないもんだよね。
澤野
教育のめちゃくちゃ難しいところですね。
村松
でも講師としてそこを見極める責任はあると思う。
小野
その人の将来を決めちゃうからね。もちろんこれが正解ってのはないんだけどさ。
澤野
だからこのテーマ面白いかなって持ってきました。
小野
うんうん。先生の考え方はそれぞれでいいし、習う人も自分に合う人を見つけて一緒に学べばいいと思う。
澤野
結局それに落ち着いちゃいますね。
小野
みんな違ってみんないい。相田みつを的な。
澤野
それ金子みすずっす。

楽しいのと上達どっちが大事かって話

答えのない話でみんなで悩んでるときの写真

澤野
あと、二人は楽しさと上達のどっちを重視してます?
小野
わー、深いの来たな!
澤野
だって上達には基礎練習とかも必要なわけじゃないですか。
村松
やるね。
澤野
でもそれを退屈に感じる方もいて、いつもそのバランスが難しいって思うんですよね。
小野
あー、 俺のレッスンでいえば楽しさのほうが優先かな。
澤野
小野先生は絶対そっちだと思いました。
村松
俺は楽しさ大事にしつつ自分なりのトレーニングもさせるかな。
小野
ずりぃ!
澤野
僕もいろんな先生の生徒さん見てきましたけど、すごく楽しそうにレッスン受けてるんだけど、たまたま発表会とかでお会いした時に演奏聴くと以前とあんまり変わってないなって感じちゃう方もいたりして。
村松
それはつらいけど、実際けっこうあるよね。
小野
え、ちょっとまって!弁解させて!
澤野
小野
俺は楽しさが優先なんだけど、そのためにつまんない基礎練習もいかに楽しくできるかめちゃくちゃ気をつけてる。
村松
なるほど。
小野
そうゆうのが伝わってかうちのクラスの生徒さんは基礎のテキストも楽しいっていって頑張ってるよ。
澤野
さすがのレッスン力ですね。
小野
あとはこの曲の次はこれって自分の中でだいたいの順番を決めておいて、敢えてみんな同じように進めたりするときもある。
澤野
みんなで同じにしちゃうんですか?
小野
そう!そうすると生徒さん同士で「今これ弾いてるんだ。じゃ次は先生にこれ弾けって言われるよ。」とか話題なったりして。
村松
それはいいかも。コミュニティができるし。
小野
それなんだよね。生徒さんは一人でやってなんとかならないものを解決したいと思って教室に来てくれてるから、どんなことも一人でやってると感じさせないようにして、みんなで楽しくやってるうちにうまくなっちゃうみたいなのがいいなって。
澤野
それすげーいいですね。確かに小野先生の教室ってすぐみんな仲良くなっちゃいますよね。
小野
でしょ?はい、以上言い訳でした!
村松
言い訳なげぇ。

リズム感を良くする為に普段していること

なおさんがもってきた二番目のトークテーマの写真

感性って鍛えられるよねって話

澤野
音楽教室の先生やってると「リズム感ないんです」とか「音痴なんです」って相談されること多くないですか?
小野
あー、それはあるね。
澤野
せっかくドラムの先生がいるから普段どんなことしているのか聞いときたくて。
村松
んー、そうだな。まず、俺はリズムって心臓の鼓動みたいなもんだと思ってて。
澤野
ほうほう。
村松
それを感じるためにはとりあえずクラブ言って踊ってこいって言ってるよ。
澤野
すごい言いそう。
村松
ライブハウスでも良いんだけど、とにかく好きな音楽に合わせて好きなように身体を動かしてみるってすごい大事で。
小野
あー、それはあるね。
村松
あんまり信じてもらえないんだけど、ちゃんと伝わる人もいて。そういう人は次のレッスンの時にすごく変わってる。
澤野
なるほど。曲に合わせて手を叩くだけでもずれていっちゃう方もいますからね。
小野
うんうん。